残業をやらない方が良い理由
残業を少なくするための具体的なテクニック
はじめまして。キキです。
建築業界の働き手が幸せを実現するための「就職・転職」のノウハウと「働き方」を発信しています。
【経歴】
▶︎建築業界内で3回以上の転職を経験しました。
▶学生時代は上海の建築事務所やアトリエ系の建築事務所で働く。
▶地方大学院卒から関東の組織建築事務所
▶過労で入院。手術もすることになり、体調不良で半年間、療養しました。。。
▶地元建築事務所(中小企業)
▶地元県庁_建築技術職
▶建築事務所に再リベンジ中!
【資格】
・一級建築士
・インテリアプランナー
・宅地建物取引士
私の経験が建築業界で生き方を模索している方の参考になればとブログを書いてます。
結論(残業は避けるべき)
結論としては、残業は避けるべきです。仕事の都合上、残業が生じる場合もあると思いますが、できるだけ最小限にとどめた方がいいでしょう!
今回は一見普通そうな働き方について深く考える機会を持つことができたらと思います。
私たちはしばしば、「繁忙期は残業が避けられない」、「上司が帰らない限り、帰れない」、「仕事が終わらないと帰れない」といった考えに囚われがちです。しかし、この考え方こそが、健康、生産性、幸福感に影響を及ぼす可能性があります。
理由1:残業は健康を害する
働くことは、もちろん収入を得るための手段であり、プロフェッショナルとして自己実現を果たす手段でもあります。しかし、それが自分の健康を損なう程度にまで及ぶならば、それは一線を越えたことになります。
多くの科学的研究が示している通り、長時間労働はストレスを増加させ、心臓病やうつ病などのリスクを高めます。また、睡眠不足は免疫力の低下や肥満の原因ともなります。更に言うならば、仕事に費やす時間が増えるほど、家族や友人との時間、趣味やリラクゼーションのための時間が減少します。これらは全て、私たちの精神的な健康と幸福感にとって重要な要素です。
以下に長時間労働がいかに心身に悪い影響を与えるかを示した研究を載せておきます。
長時間労働は私たちの家族や友人との時間を減少させる上に、心と体を害するんですね。。。
1日に11時間以上働く人々は、1日に8時間以下働く人々と比較して、うつ病のリスクが2.5倍高くなることを示しました。
この研究はフィンランドの700人以上の中間管理職に対する長期間にわたる追跡調査に基づいています。結果として、長時間働く人々はうつ病のリスクが高まることが明らかになりました。これは、長時間労働がストレスを増加させ、休息とリカバリーの時間を減少させることで、精神的な健康問題を引き起こす可能性があるからです。
長時間労働と心血管疾患のリスクとの関連について明らかにしました。この研究は、25の研究をまとめたもので、合計で60万以上の参加者からのデータを分析しました。
その結果、週に55時間以上働く人々は、週に35-40時間働く人々と比較して、冠状動脈心疾患のリスクが13%高く、脳卒中のリスクが33%高いことが示されました。つまり、長時間労働が心血管疾患のリスクを増加させる可能性があるという証拠が示されたのです。
このリスク増加は、長時間労働がストレスレベルを増加させ、運動不足や不健康な食生活などのリスク行動を引き起こす可能性があるためと推測されています。また、長時間労働は睡眠不足を引き起こす可能性もあり、これも心血管疾患のリスクを増加させる可能性があります。
理由2:長時間労働≠生産性が上がる
次に、残業が私たちの仕事の生産性にどのように影響するか考えてみましょう。皆さんは「働けば働くほど、成果が上がる」と思っていませんか?しかし、これはある程度までの話です。労働時間と生産性の関係は線形ではなく、ある点を超えると逆に生産性は低下します。これは「過労」と「疲労」が引き起こす創造性や問題解決能力の低下によるものです。理論的には、もし働く時間が増えれば、その分だけ仕事の成果が増えると思われるかもしれません。しかし、実際には、ある一定の労働時間を越えると、生産性は逓減し、更に労働時間が増えると生産性は低下し始めます。これは「労働の次元逓減の法則」に基づいています。
「労働の次元逓減の法則」は、経済学の基本的な概念で、特定の資源(この場合、人間の労働力)を一定以上投入し続けると、その投入に対する追加的な生産性や成果は次第に減少するという原則を指します。
この法則を労働時間のコンテキストに適用すると、ある一定の時間を超えて働き続けると、その追加の時間に対する生産性(つまり、追加の時間によって生み出される出力)が減少するということを意味します。これは、疲労や集中力の低下などの要素により、人間の生産性が一定の時間を超えて働くことで減少するからです。
例えば、初めの数時間では、労働者は新鮮でエネルギッシュであり、効率的に仕事をこなすことができます。しかし、長時間働き続けると、疲労が蓄積し、労働者の集中力や効率が低下し、同じ時間で達成できるタスクの量が減少します。更に、長時間労働はストレスを引き起こし、これがさらなる生産性の低下を引き起こす可能性があります。
この法則は、企業が労働力をどのように最適に管理するか、また、働き方改革などの政策がどのように労働者の健康と生産性を改善するかについての洞察を提供します。それはまた、個々の労働者が自身の時間とエネルギーをどのように最適に管理するかについての理解を深めるのにも役立ちます。
ヘンリー・フォードは、自動車産業の先駆者であり、労働者の生産性と福祉に関する革新的な理念を持つことでも知られています。彼は1920年代初頭、自身のフォード自動車工場で5日労働制を導入しました。これは当時の産業界においては異例のことであり、フォードはその革新的な働き方改革で注目を浴びました。
フォードがこの変更を行った理由は二つあります。一つ目は、労働者の福祉を向上させること、つまり労働者に休息と娯楽のための時間を提供することで、彼らの生活品質を向上させるという目的がありました。二つ目は、生産性の観点からで、フォードは労働者が十分に休息を取ることで、彼らの効率と生産性が向上すると考えていました。
そして結果的に、彼の予測は正しかったのです。週に5日だけ働くという変更は、工場の生産性を向上させ、労働者の満足度と士気を高めました。また、これによりフォード社は、労働者を引きつけ、優れた人材を保持するための強力な手段を得ることができました。
フォードのこの実験は、労働時間と生産性の間のバランスを見つけることの重要性を示しています。それはまた、適切な休息時間が、労働者の生産性と幸福感を向上させることができることを示しています。この教訓は今日でも有効であり、企業や組織が労働時間の最適化をどのように進めるべきかを考える際の参考になります。
生産性を上げるためには休まなければいけません!
一部の企業は人たちのなかには、残業は美徳としたり、評価したりしますが、生産性を下げることにしかならないのです。
企業選びの一つの基準にもなります!
残業を避けるためのテクニック
では、残業を避けるためにどうすればいいのでしょうか?以下にいくつかの具体的な働き方を提案します。
タスク管理の強化
タスクを把握し、それを効率的に実行する能力を磨きましょう。これは時間管理技術を学ぶことから始めることができます。“Pomodoro Technique(ポモドーロ・テクニック)”や“GTD (Getting Things Done)”などがあります。
Pomodoro Technique(ポモドーロ・テクニック)
ポモドーロ・テクニックは、フランチェスコ・シリロによって開発された時間管理の手法です。このテクニックは、タスクを25分間の作業セッション(これを”ポモドーロ”と呼びます)と、その後の5分間の休憩で分割することにより、集中力を維持し、疲労を防ぎます。
具体的なステップは以下のとおりです。
まず何に取り組むかをはっきりさせます。この時、タスクは具体的で明確であるべきです。
タイマーを25分に設定し、その時間だけ集中してタスクに取り組みます。この25分が1つの「ポモドーロ」です。
25分間の作業が終わったら、5分間の休憩を取ります。この休憩時間は、脳をリフレッシュし、次の「ポモドーロ」に備えるための大切な時間です。
4回の「ポモドーロ」(つまり、作業時間としては合計100分)を終えたら、15~30分の長い休憩を取ります。この長い休憩は、より深いリカバリーを可能にし、再び集中力を高めるためにあります。
この手法は、時間を明確に区切ることで、作業と休息のバランスを保ち、一度に一つのタスクに集中することを促します。また、定期的な休憩は脳の疲労を軽減し、全体的な生産性を向上させることが示されています。
GTD (Getting Things Done)
デビッド・アレンによって開発されたGTDは、タスク管理と生産性向上のフレームワークです。GTDは、タスクを組織化し、頭の中で思考を整理することにより、ストレスを減らし、生産性を向上させることを目指しています。
GTDの具体的なステップは以下のとおりです。
すべての仕事や約束事をリストアップし、記録します。忘れ物がないように全てを書き出しましょう。
リストアップした項目が何を必要とするのかをはっきりさせ、それが実行可能なタスクなのかを判断します。具体的なアクションが必要なものか、それとも参照用の情報なのかを見極めます。
アクションが必要な項目をカテゴリー別に整理します。それぞれのタスクに対して何を、いつ、どこで行うのかをはっきりさせ、タスクを適切な場所に配置します。
タスクリストを定期的に見直し、状況に応じて調整します。これは、自分の仕事の優先順位が適切であるかを確認し、必要な変更を加える時間です。
最も重要で意味のあるタスクに取り組みます。リストから優先順位の高いタスクを選び、行動に移します。
これらのステップは、タスク管理と生産性向上の枠組みを提供し、仕事の整理整頓に役立つフレームワークを提供します。また、これらの手法は自分自身の働き方にカスタマイズして使用することができ、多忙な日常の中で効率的にタスクをこなすための手引きとなります。
「やることリスト」作成して、優先順位をつけながら業務を行うイメージですね!
優先順位の設定
全てのタスクが同等の重要性を持つわけではありません。それらを優先順位によってランク付けし、最も重要なタスクに集中することが重要です。これは「アイゼンハワーのマトリクス」などの手法を用いることができます。
アイゼンハワーのマトリクス
アイゼンハワーのマトリクス(またはアイゼンハワーの箱、アイゼンハワーの決定マトリクス)は、タスクの緊急性と重要性に基づいて優先順位を決定するためのツールです。これは、元アメリカ合衆国大統領ドワイト・D・アイゼンハワーが開発した手法であり、彼の名前を冠しています。
このマトリクスは、緊急性と重要性という2つの次元を持つ四角いグリッドで構成されています。それぞれのセルは以下のように定義されます。
- 重要で緊急なタスク:これらのタスクは直ちに行うべきもので、しばしば「危機」や「問題」を伴います。例えば、プロジェクトの締め切りが迫っている、または急なクライアントからの要求などがこれに該当します。
- 重要だが緊急ではないタスク:これらのタスクは、あなたの長期的な目標や個人的な成長に関わるもので、スケジュールを組んで対応する必要があります。例えば、計画的なプロジェクト、自己啓発のための学習、リレーションシップの構築などがこれに該当します。
- 緊急だが重要ではないタスク:これらのタスクは他人からの要求によく影響され、あなた自身の目標には直接貢献しません。可能な限りこれらのタスクを代理人に委任するか、限られた時間で対応するべきです。例えば、一部のメールや電話、他人からの急な依頼などがこれに該当します。
- 緊急でも重要でもないタスク:これらのタスクは時間の無駄で、可能な限り避けるべきです。これらはしばしば「時間の泥棒」と呼ばれ、あなたの生産性を下げる可能性があります。例えば、一部のソーシャルメディアの使用、無意味な会議、頻繁なテレビ視聴などがこれに該当します。
このマトリクスを使用することで、あなたはタスクの優先順位を効果的に設定し、どのタスクに焦点を当て、どのタスクを遅らせるか、または全く行わないかを決定することができます。これは、時間とエネルギーを最も重要なタスクに向けるのに役立つツールです。
「緊急だが重要ではないタスク」「緊急でも重要でもないタスク」にかける時間を短くしましょう。
他の人に業務を任せる・業務委託する
全てのタスクを自分一人で処理する必要はありません。他の人に任せることができる仕事は任せ、自分が集中すべき仕事に時間を確保しましょう。これは組織の生産性を向上させるとともに、リーダーシップの効果を高める重要な考え方です。
他人でもできる、苦手な業務は他人に任せて、自分は自分にしかできない仕事に集中することが大切です。
明確なコミュニケーション
自分の時間を守るためには、他の人に対する明確なコミュニケーションが必要です。仕事の範囲、期限、目的などについて具体的に伝えることで、誤解を避け、無理な期待を防ぐことができます。
そもそもやる仕事内容が間違っていたら、元も子もないですよね。
まとめ
働き方改革の一環として、残業から解放されることは、個々の健康と生産性だけでなく、組織全体の成功にも寄与します。残業が必要な状況はあるかもしれませんが、それを常態化させてはなりません。あなたの時間、健康、そして生産性を守るために、今日から新しい働き方を始めてみてはいかがでしょうか?
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